体験農園とは

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農業体験農園とは

「農作物を直接、1年を通して、全量買ってもらう契約栽培」

農業体験農園を説明するには、「農作物を直接、1年を通して、全量買ってもらう契約栽培」である、と考えていただくと分かり易くなると思います。
さらに、入園者はご自分や家族等で、手塩にかけて育てた野菜を、必要なときに、直接、畑まで収穫に来ることができる直接販売です。
毎日の食卓には欠かせない野菜。消費者の皆さんは、安全で安心で、しかも新鮮な美味しい野菜が食べたい、という要望があります。しかし、そのような野菜作りには多くの手間がかかります。
それならばお互いが納得できるような農作業から一緒にやってみませんか。これが農業体験農園です。
プロの農家が播種、苗の植え付けから栽培管理、収穫までを教える、いわば農業のカルチャースクールの要素も一緒に併せ持っています。
加えて、農業者と消費者の質の高い交流が果たせます。全国農業体験農園協会では、農業体験農園を「農地の区画貸しする一般の市民農園とは異なり、農地所有者等が自ら経営する農業の一環として、都市住民等に連続した農作業体験を行っていただくもので、経営の主体が農地所有者等の農業経営者にあることが明確である消費者参加型の農園」としています。

市民農園と体験農園

農地を貸し借りするには法律上の手続きが必要です。そのため、消費者が気軽に参加できる市民参加型農業として、これまでは、2つの農園がそれぞれの地域で進められてきました。
@市民農園:地方自治体や農業協同組合などが開設する、若しくは、農地を所有する農業者自らが開設する農地を借りて行う家庭菜園です。
A収穫体験農園:花卉・野菜・果樹などの摘み取りを行う観光農園、また、畝売り・株売りを行う収穫農園などがあり、これまで「体験農園」と言うと主にこのような収穫体験農園を指していました。

しかし、市民農園では十分な管理ができないところもあり、収穫体験などでは「作物を作る過程が楽しめない」など、これまでにも多くの課題が指摘されていました。それらを総合的に解決するのが、農家が開設・運営する農業体験農園です。

農業体験農園の魅力

農業体験農園は単に農地を提供するだけの市民農園とは異なり、次のような効果が期待できます。

農業者が、これからの経営の一環として消費者参加型の農業を行おうとするならば、この農業体験農園が効果的であり、同時に「農業のある地域づくり」を実現し、都市住民との交流も果たす新たな地域農業の振興策としても期待がもてるものと考えます。
農業体験農園は、都市住民の農業への理解を深め、農業ヘルパーや支援組織を育成するとともに、地域農業の活性化につなげていくことも可能です。また、地域が連携することによって広域に波及させるなど、無限の可能性を秘めた取り組みといえるでしょう。

農業体験農園の特徴

農業体験農園の仕組み

(1)園主の指導
農業体験農園は、入園者が播種・定植から病虫防除、除草や施肥等、さらには収穫までの一連の農作業を体験します。
入園者が行う基本的な農作業は、全て園主の指導のもとに行います。また、園主は、高品質な農産物が収穫できるよう作付計画作成や品種選定を行います。
(2)作付け作目などの決定
農業体験農園は園主が自ら行う農業経営ですから、入園者は自分が好きな作目や品種を勝手に作ることはできません。作付けする品目や種類は、園主が全て決定します。
(3)種苗や農器具の準備
種苗は全て園主が用意します。基本的な農作業に必要な農具も園主が用意しますから、入園者は手ぶらで来ることができます。
また、その時期に必要な農作業も掲示板等に記載するなど、入園者が安心して農作業ができる環境を作ります。
(4)美味しい野菜を作ります
園主は「流通本意」の農産物ではなく、多少の手間や経費がかかっても、また、見た目が多少劣るような品種でも、本当に美味しい旬の野菜や、古くから伝わる伝統野菜などを作付けするよう配慮します。

農業体験農園の1年の流れ

「農業体験農園」開設にあたって

(1)農園の準備
春先には農家が堆肥を散布してトラクターで耕起し、種まきの準備をします。
一般の市民農園では入園者自ら耕起しますが、かなりの重労働のため怠りがちで、良い作物が育たない原因となっています。丁寧に耕起しないと作物にも影響があります。また、堆肥の散布は、あらかじめ日程を決めておくことで入園者と共に行うこともできます。
また、作付け計画等を作成します。
(2)利用者の募集
広報等を利用して募集します。特に農園への直接啓示は効果的です。
1年未満(11ヶ月程度)を契約期間として、入園者と園主とが契約します。
契約の更新を希望する利用者に対しては、一般的に最高5回(5年間)を限度として更新できることにしていますが、毎年90%以上の入園者が継続更新しています。
新たな入園者を募集する際の連絡は、@行政の広報を利用、A園の入り口に設置した看板に掲示、B入園者からの紹介、などによって行うと円滑に進みます。
(3)利用期間と入園者に対する説明
年間に利用できる期間は東京では概ね3月から翌年1年末日としています。入園者は1月末までに利用区画を更地に戻します。
園主は、2月中に元肥(推肥等)を施し、耕耘を行い、新年度に備えます。
(4)栽培方法・指導の基本
多くの入園者が望んでいるのは、完全無農薬・無化学肥料による栽培ですが、肥培管理等が困難なため、減農薬・減化学肥料栽培を指導の基本とします。また、そのことを入園者にきちんと理解してもらうことも必要です。

 

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